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コラム
構造化マークアップで得られるSEOのメリットについて
構造化マークアップに関しては、最近良くご質問をいただくSEO施策のひとつです。
SEO的な影響度は非常に高まっていますが、それなりの知識がないと実装がなかなか難しいため、施策の敷居を高く、実装されていないサイトがまだまだ多くあるのが現状です。この記事では、構造化マークアップの概要から、具体的な実装方法まで構造化マークアップを知るために必要な情報を説明させていただきます。
構造化マークアップは、言い換えれば「セマンティックWebを実現する為に、テキスト情報をマークアップすることで意味を持たせ、コンピュータに対して効率よくデータの収集・解釈を行えるようにする」施策です。
この「セマンティックWeb」というのは、簡単にまとめると、「コンピュータがWebサイトの構造や意味をきちんと理解できるようにする取り組み」のことです。
セマンティック・ウェブ(英: semantic web)は W3C のティム・バーナーズ=リーによって提唱された、ウェブページの意味を扱うことを可能とする標準やツール群の開発によってワールド・ワイド・ウェブ[1]の利便性を向上させるプロジェクト。セマンティック・ウェブの目的はウェブページの閲覧という行為に、データの交換の側面に加えて意味の疎通を付け加えることにある。
セマンティック・ウェブはXMLによって記述した文書にRDFやOWLを用いてタグを付け加える。この、データの意味を記述したタグが文書の含む意味を形式化し、コンピュータによる自動的な情報の収集や分析へのアプローチが可能となると期待されている。
セマンティックウェブはXML、XML Schema、RDF、RDF Schema、OWLなどの標準およびツール群から構成されている。
※引用:セマンティック・ウェブ – Wikipedia
検索エンジンは、私たちとは異なり、テキスト情報の中で「企業名」「料金」などを一目で認識することは出来ません。例えば、10,000円は1と0が4つと円という認識になってしまう可能性があります。つまり、検索エンジンはテキスト情報であることは認識が出来ても、それだけではテキスト情報ひとつひとつの意味を細かく認識することが難しいのが現状です。
・通常のHTMLの例
<div>オーパプラン有限会社</div>
・マークアップを実装したHTMLの例
<div itemscope itemtype=”http://schema.org/Corporation”>
<span itemprop=”name”>オーパスプラン有限会社</span></div>
「有限会社」という文字から、それが企業名であることを私たちは想像できますが、クローラー(検索エンジン)はそれが理解できません。マークアップを実装したHTMLの例のように、マークアップを実装して初めてそれが企業名であることを認識することが可能となるのです。
これを解決するための方法のひとつが「セマンティックWebを実現する為にテキスト情報をマークアップする」構造化マークアップになります。
クローラー(検索エンジン)側でテキストの意味を読み取るのが苦手であれば、テキスト情報の意味を読み取りやすいようにマークアップさせることで、よりページの内容を理解させ情報の収集などを向上させるのが構造化マークアップ施策の狙いになります。
構造化マークアップをきちんと実装すると、副次的効果として検索結果の表示が変化することがあります。
商品のレビューやパンくずリストを検索結果に表示することができ、ページの内容が検索ユーザーに伝わりやすくなるため、クリック率が上がります。
こういった、検索結果で表示される情報(スニペット)の情報を豊か(リッチ)にすることをリッチスニペットというのですが、リッチスニペットの詳しい内容については、別の記事でご紹介しておりますので、そちらを御覧ください。
「snippet」とは、切れ端や断片を意味し、検索結果で表示されるページの要約文のことを指します。
通常、検索結果で表示される情報(スニペット)は、検索エンジンが自動で内容を抜粋して掲載しているのですが、検索エンジンにきちんとサイトの内容を伝えることができれば、商品のレビューや価格など、検索結果でより多くの情報を表示させることができます。
スニペット(snippet)の表現が豊か(rich)になるため、リッチスニペットと呼ばれています。
検索結果をリッチスニペット化することで、検索順位に直接影響が出る訳ではありませんが、ユーザーの目を引くことができる上、ページの内容が検索ユーザーに伝わりやすくなるため、クリック率が上がります。
検索結果で競合サイトと並んだ際、一歩リードすることができますので、積極的に活用してみましょう。
では、どういった場合にリッチスニペット化ができ、どのような形で表示されるのでしょうか。実際の検索結果画像と共にご紹介していきます。
会社概要やサービス内容などを表示することができます。通常、トップページに入ってから探さなければいけないコンテンツが、検索結果から直接見つけられるのは検索ユーザーにとって大きなメリットですね。コーポレートサイトは必ず出しておきたい情報です。
レビューや価格を表示することができます。評価が高ければユーザーに安心感を与えられますし、価格が出ている状況でクリックをするユーザーは、購入確度が高いといえます。
料理のレシピ、カロリー、調理時間などを表示することができます。レシピコンテンツを扱っているサイトなら、ぜひ出しておきたい情報ですね。
イベントスケジュールも表示することができます。検索結果からイベントページへ直接誘導ができるため、セミナーや展示会などのイベントを定期的に開催している企業におすすめです。
動画コンテンツも検索結果上で表示できます。自社サービスの紹介動画など、動画コンテンツを持っている企業も多くなってきたかと思いますので、試してみると面白いかもしれません。
音楽業界でない限りあまり活用機会はないかもしれませんが、音楽コンテンツも表示できます。
Webサイト内ではおなじみのパンくずリストですが、検索結果にも出すことができます。
パンくずリストが表示されていると、そのページがどこに位置しているのかがとてもわかりやすくなります。
なんと、サイト内検索用の検索窓まで表示できます。検索結果から直接サイト内検索ができるので、ユーザーには便利かもしれませんね。
検索エンジンはユーザーの満足度を高めるため、スニペットを常にブラッシュアップしています。リッチスニペット化できる情報はどんどん増えていますので、今後はまた違ったコンテンツの表示が可能になるかもしれません。
構造化マークアップの実装方法は大きく分けて2種類あります。「HTMLにマークアップを追加する方法」と、「Googleの力を借りて実装する方法」です。
前者の「HTMLに直接マークアップを追加する方法」は言葉の通り、自ら現状のWebサイトに対して構造化マークアップを実現する為のコーディング作業を実施します。後者の「Googleの力を借りて実装する方法」は、Googleが無償で提供しているツールを利用して構造化マークアップを実装する方法です。
それぞれの方法についてメリット・デメリットを挙げるとすると、以下の通りです。
HTMLファイルの知識がなくても作業可能。とにかく簡単で、すぐに作業が完了する。
あくまでも認識(学習)させるのはGoogleに委ねられるので、全てが問題なく認識されるとは限らない。
ソースコードに直接構造化マークアップを実装するので、ほとんど完璧に施策を行うことが可能。
コーディング作業が必要なため、それなりの知識を持っていないと作業を行うのが難しい。構造化マークアップを初めて実装する場合、Googleの力を借りて実装する方法の方が敷居は低いと思います。
構造化データをマークアップしても、有効性に問題があれば検索エンジンに認識されません。
そうなれば、リッチリザルト(リッチスニペット)が表示されなかったリ、Webページ内容の認識が促進できないので、結果的に検索パフォーマンスの向上に至らないことになります。
こうした状況を回避するためにも、本番に反映(アップロード)する前に、マークアップした構造化データが有効かどうか?を「構造化データテストツール」で検証しましょう。
しかし、細部まできちんと施策を行いたいと考えるなら、直接マークアップを実装する方法の方がおすすめです。HTMLファイルの編集作業の経験がある方は、直接マークアップを実装する方法にチャレンジするのも良いかもしれません。
ちなみに、構造化データの有効性は、サーチコンソールの拡張メニューにある「解析不能な構造化データ」の項目でも確認できます。
これは、本番に反映後、構造化データの有効性に問題があった場合に、アラート表示されます。
2015年9月11日、GoogleのJohn Mueller氏は構造化マークアップの有無が今後ランキング要素になる可能性について示唆しました。過去にたびたび「構造化マークアップの有無は順位に影響しない」と発言してきたGoogleの、一つの方針転換が伺い取れます。
長期的に見れば、ウェブサイト上に施された適切なマークアップを(ランキング要素に)利用するのは道理に合っているだろう。
だが、“マークアップしておけば順位が跳ね上がる”などというものにはならないと思う。「技術的にしっかりしているサイト」と「良いコンテンツのあるサイト」は区別しようとするからだ。
「技術的に良いサイト」だからといって「技術的にはしっかりしていないコンテンツ」よりも関連性が高いとはいえない。
上記に関しては様々な見方があるとは思いますが、個人的には構造化マークアップを実装しているサイトが、構造化マークアップを実装していないサイトより評価されるのはあり得ると思います。
というのも、検索エンジンに対してWebサイト・各ページの内容を分かりやすく伝えることで狙ったキーワードの順位を上昇させることがSEO施策だとしたら、構造化マークアップはなくてはならない技術です。
スマートフォンが普及し、位置情報から検索結果を変えるようなアルゴリズムがありますが、もし検索エンジンがあなたのウェブサイトの所在地を正しく認識出来ない・もしくは読み取れなかった際は大きな機会損失を生み出すことでしょう。
そのようなことがないためにも「検索ユーザーだけでなく検索エンジンに対してもウェブサイトの内容を分かりやすく伝える」技術である、構造化マークアップは非常に重要な施策といえるのではないでしょうか。
構造化マークアップは、失敗しても順位が急落するなどの影響はほとんどありませんので、まずはこの記事に書いてある2種類のうちどちらかを試しに実施してみてください。また、わからないことがあれば、ぜひお気軽にご相談いただければ幸いです。
構造化データをマークアップ(構造化マークアップ)すれば、クローラーがコンテンツ内容を認識しやすくなるので、その分Webページ(ブログ記事)のインデックスが促進されます。
そうなれば、Googleに評価されやすくなるので、SEO効果が見込めるでしょう。
こうして、クローラビリティを高めて、検索エンジンに認識されやすいWebページに仕上げることが、SEO対策で上位表示を目指すためのポイントとなります。
一方、構造化データを記述しなければ、その分クローラビリティが上がらないので、Googleから評価されづらくなるでしょう。
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