Scroll down

COLUMN

コラム

コンバージョン数が実際の成果数と合わない8つの原因

Webマーケティングにおいて、コンバージョン数は重要な指標です。コンバージョン数とは、広告やWebサイトを通じてユーザーが目的とする行動をとった回数のことで、例えば資料請求や商品購入などが該当します。コンバージョン数を測定することで、広告やWebサイトの効果を評価したり、改善策を考えたりすることができます。

しかし、コンバージョン数は必ずしも実際の成果数と一致するとは限りません。実際には、様々な要因によって、コンバージョン数が実際の成果数よりも多く見えたり少なく見えたりすることがあります。このような場合、正確な効果測定や改善策の立案ができなくなってしまいます。

そこで、この記事では、コンバージョン数が実際の成果数と合わない8つの原因とその対処法について解説します。これらの原因を把握しておくことで、より正確なコンバージョン測定を行うことができるようになります。

1. 複数の広告媒体への出稿による重複

Webマーケティングでは、GoogleやYahoo!などの検索エンジン、FacebookやTwitterなどのSNS、Web広告やメールマガジン、アフィリエイトなど、さまざまな媒体を使ってユーザーにアプローチします。しかし、これらの媒体はそれぞれ独自の方法でコンバージョンを計測しており、同じユーザーが複数の媒体からアクセスした場合には、それぞれの媒体でコンバージョンが発生したとカウントされてしまいます。例えば、ユーザーがGoogleからWebサイトにアクセスして商品をカートに入れた後、Facebookから再度アクセスして購入した場合には、GoogleとFacebookの両方でコンバージョンが発生したと計測されます。これにより、コンバージョン数が実際の成果数よりも多く見えてしまう可能性があります。

この問題を解決するためには、複数の広告媒体から来たユーザーを一元的に管理する仕組みを導入する必要があります。例えば、Googleアナリティクスでは、マルチチャネルファネルレポートという機能を使って、複数の広告媒体からのコンバージョンパスを分析することができます。また、Google広告とGoogleアナリティクスを連携させることで、Googleアナリティクスのコンバージョン数をGoogle広告に反映させることもできます。

2. コンバージョンのカウント方法が異なる

コンバージョンのカウント方法には、主に以下の2種類の方法があります。

  • クリックスルー方式:
    広告をクリックしてWebサイトにアクセスしたユーザーが一定期間内にコンバージョンした場合にカウントする方法です。例えば、広告をクリックしてから30日以内に購入した場合にコンバージョンとする場合です。

  • ビュースルー方式:
    広告を表示したユーザーが一定期間内にコンバージョンした場合にカウントする方法です。例えば、広告を表示してから7日以内に購入した場合にコンバージョンとする場合です。

これらの方法はそれぞれメリットとデメリットがありますが、どちらの方法を採用するかによってもコンバージョン数が変わります。例えば、ビュースルー方式では広告を見ただけでコンバージョンとカウントされる可能性があるため、クリックスルー方式よりもコンバージョン数が多く見える可能性があります。

この問題を解決するためには、コンバージョンのカウント方法を統一するか、あるいはカウント方法の違いを考慮してデータを分析する必要があります。例えば、Google広告とGoogleアナリティクスのコンバージョン数を比較する場合は、どちらも成果日基準に設定するか、あるいはクリック日と成果日のずれを考慮して調整するかのいずれかを行う必要があります。

3. コンバージョンが計測されるタイミングが異なる

コンバージョンが計測されるタイミングとは、ユーザーが広告をクリックした後にどれくらいの時間でコンバージョンを達成したかということです。これは、広告媒体や分析ツールによって設定できる場合があります。

例えば、Google広告では、デフォルトでは30日間のタイムラグ(広告クリックからコンバージョンまでの期間)を設定しています。つまり、ユーザーが広告をクリックした後に30日以内にコンバージョンを達成した場合にカウントされます。しかし、このタイムラグは1日から90日まで自由に変更することができます。一方、Googleアナリティクスでは、デフォルトでは6か月間のタイムラグを設定しています。つまり、ユーザーが広告をクリックした後に6か月以内にコンバージョンを達成した場合にカウントされます。

このように、タイムラグの設定が異なると、同じ期間のコンバージョン数が異なって見えることがあります。

この問題を解決するためには、タイムラグの設定を統一するか、あるいはタイムラグの違いを考慮してデータを分析する必要があります。例えば、Google広告とGoogleアナリティクスのコンバージョン数を比較する場合は、どちらも30日間のタイムラグに

3. コンバージョンが計測されるタイミングが異なる

広告媒体や分析ツールによっては、コンバージョンが発生したタイミングを異なる基準で計測しています。例えば、以下のような基準があります。

  • 注文確定時:商品を購入した時点でコンバージョンとする場合です。
  • 入金確定時:商品の代金が支払われた時点でコンバージョンとする場合です。
  • 発送完了時:商品が発送された時点でコンバージョンとする場合です。

これらの基準は、キャンセルや返品などの事情によっても変わります。例えば、注文確定時にコンバージョンとした場合でも、後にキャンセルされた場合にはコンバージョンを取り消す必要があります。しかし、広告媒体や分析ツールによっては、キャンセルや返品の情報を反映できない場合があります。これにより、コンバージョン数が実際の成果数よりも多く見えてしまう可能性があります。

4. コンバージョンタグが読み込まれていない

コンバージョンを計測するためには、Webサイトのコンバージョンページ(例えば、購入完了ページや問い合わせ完了ページなど)にコンバージョンタグと呼ばれる特殊なコードを埋め込む必要があります。このコードは、ユーザーがコンバージョンしたことを広告媒体や分析ツールに通知する役割を果たします。

しかし、このコードが正しく埋め込まれていない場合や、読み込まれない場合があります。例えば、以下のような原因が考えられます。

  • Webサイトの構造変更やリニューアルに伴って、コードが削除されたり移動されたりした場合
  • Webサイトの読み込み速度が遅くて、コードがタイムアウトした場合
  • ユーザーのブラウザや端末の設定によって、コードがブロックされた場合

これらの原因により、コンバージョンタグが読み込まれないと、コンバージョンが発生しても計測されないことになります。これにより、コンバージョン数が実際の成果数よりも少なく見えてしまう可能性があります。

5. Webサイトだけで完結しないコンバージョンが含まれている

Web広告の効果を測る際には、Webサイトで発生したコンバージョンだけでなく、電話や店舗などで発生したコンバージョンも考慮する必要があります。例えば、以下のようなケースが考えられます。

  • Webサイトで商品を見た後に電話で注文した場合
  • Webサイトでクーポンをダウンロードした後に店舗で利用した場合
  • Webサイトで問い合わせフォームを送信した後にメールや電話で返答を受けた場合

これらのケースでは、Webサイトだけでは完結しないコンバージョンが発生しています。しかし、広告媒体や分析ツールでは、これらのコンバージョンを計測することが難しい場合があります。例えば、電話や店舗で発生したコンバージョンをWebサイトと紐付けることは容易ではありません。これにより、コンバージョン数が実際の成果数よりも少なく見えてしまう可能性があります。

6. 広告媒体の設定によっては特定のコンバージョンしか計測されない

広告媒体によっては、特定のコンバージョンしか計測されない場合があります。例えば、Google広告では、コンバージョンタイプを「ウェブサイト」、「アプリ」、「電話」、「インポート」の4種類から選択できますが、それぞれに対応する計測方法や設定が必要です。もし、広告媒体の設定と計測方法が一致していなければ、正しくコンバージョン数が反映されません。また、広告媒体によっては、コンバージョンウィンドウ(広告をクリックしてからコンバージョンが発生するまでの期間)やアトリビューションモデル(複数の広告に触れたユーザーのコンバージョンをどの広告に帰属させるか)なども異なります。これらの設定もコンバージョン数に影響します。

対策としては、広告媒体ごとに計測方法や設定を確認し、統一することが必要です。また、複数の広告媒体を使っている場合は、それぞれのコンバージョン数を比較するだけでなく、全体的な成果を把握するために統合的な分析ツールを活用することもおすすめです。

7. ユーザーの行動によりコンバージョンが二重計測されてしまう

ユーザーの行動によっては、コンバージョンが二重計測されてしまう場合があります。例えば、ユーザーが商品を購入した後に注文確認ページを再度開いたり、別のデバイスで同じページを開いたりした場合です。このような場合、同じユーザーが同じアクションを起こしたとしても、コンバージョントラッキングシステムはそれを別々のコンバージョンとしてカウントしてしまいます。

対策としては、注文確認ページやお問い合わせ完了ページなどのコンバージョントラッキングタグが埋め込まれたページに対して、「一度だけ表示する」や「一定時間後に自動的に閉じる」などの制限をかけることが有効です。また、Cookieを使ってユーザーの識別や計測を行う場合は、Cookieの有効期限や範囲を適切に設定することも重要です。

8. Cookie規制の影響で計測ができない

Cookieとは、ウェブサイトがユーザーのブラウザに保存する小さなデータのことです。Cookieを使うことで、ユーザーの訪問履歴や行動履歴などを記録し、広告の配信やコンバージョンの計測などに活用できます。しかし、近年、プライバシー保護の観点から、Cookieの使用に対する規制が強化されています。例えば、AppleのSafariやGoogleのChromeなどの主要なブラウザは、サードパーティCookie(他社のウェブサイトが発行するCookie)を制限したり、ブロックしたりしています。また、ユーザー自身も、ブラウザの設定やプラグインなどでCookieの受け入れを拒否したり、削除したりすることができます。これらの状況により、コンバージョン計測に必要なCookieが正しく機能しない場合があります。

対策としては、Cookieに依存しない計測方法を採用することが望ましいです。例えば、Google広告では、Googleアナリティクス4(GA4)という新しい分析ツールを提供しています。GA4では、Cookieだけでなく、ユーザーIDやデバイスIDなども使ってユーザーを識別し、コンバージョンを計測できます。また、広告媒体や計測ツールによっては、サーバーサイドでコンバージョンデータを受け取ることも可能です。これらの方法は、Cookie規制の影響を受けにくいと言われています。

まとめ

コンバージョン数は広告効果を測る指標ですが、実際の成果数と一致しない場合があります。その原因は、広告媒体の設定やユーザーの行動やCookie規制などによるものです。これらの原因に対応するためには、計測方法や設定を確認し統一したり、統合的な分析ツールを活用したり、Cookieに依存しない計測方法を採用したりすることが必要です。コンバージョン数だけでなく、実際の成果数も把握することで、より効果的な広告運用ができるようになります。


関連サービス

著者情報

オーパスプラン編集部

オーパスプラン編集メンバーが不定期で更新します。 ホームページ制作やウェブマーケティング、ウェブデザインに関する最新ニュースからノウハウまで、様々な情報を紹介していきます!

06

CONTACTお問い合わせ

弊社の資料をダウンロードしたい方は
下記よりダウンロードしてください。

ご相談・サービスに関する詳細情報やご不明点など
下記よりお気軽にお問い合わせください。